もう少し詳細に振動締固めの原理を見てみましょう。
練られた直後のコンクリートに振動を与えると、骨材(砂などを細骨材、砂利を粗骨材と呼びます。)の動きは、与えられた振動加速度に比例し、その質量に反比例するため、大きな骨材は動きが少なく、小きい骨材ほど多く動きます。
つまり、バイブレータからコンクリートへの振動の伝播過程では、振動周波数はほとんど変化しないのに対して、振幅は距離による減衰を生じるのです。こうして振動を与えた点を中心として、セメントペーストと細骨材は液状化し、粗骨材のすきまをうめ、空気泡などの空間を満たし、あるいは上方へと押し上げて密実になってゆきます。
すなわち、コンクリートは内部振動機の水平方向の振動によって液状化し、重力によって締固まるのです。こうして適当な時間、バイブレータをかけ続けるとさらに遠方にまで振動が伝わってゆきます。つまり振動源の近くはより密実になり、次にこの密実な部分を通じて次の部分に及び、漸次遠方に達してゆくのですが、密実になった部分で振幅は吸収されてゆきますので、振動は減衰し振動効果の範囲限界が生じます。
この限界は、コンクリートとバイブレ−タ−の条件により異なりますが、大まかには、
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