■コンクリートの締め固め 「良いコンクリート作りのための要因」
2.良いコンクリート作りのための要因

良いコンクリ−ト構造物作りにおいて、良い振動締固めは決定的な要因となりえますが、同時にコンクリ−トの練り混ぜから構造物としての完成までには、とても多くの作業工程と時間要素が係わっています。

 1  要素材料 つまり セメント 骨材 水 混和剤 の本来的品質や練り混ぜまでの管理
2 練り混ぜ作業の品質
3 打設場所までの運搬時間や品質
4 カブリ厚さなどを含めた構造物の設計そのもの
5 配筋の精度、品質
6 型枠の仕上がり具合 や 支保工の強度
7 剥離剤 (離型剤) の選定や品質
8 投入の方法
9 天候 あるいは作業環境
10 バイブレータの機種選定と掛け方
11 養生の方法と品質
12 脱型の時期と方法

いささか逆説的ですが、私どもが現場で体験した ダメなコンクリ−トの作り方を上記の順に従ってご紹介してみましょう。

 1  少量なので風化して凝結しはじめているセメントを使った日光にさらされてカラカラな砂利を使う 水の量はいつもと同じ
2 塩分の多い井戸水で練り混ぜる
3 現場が昼休みになったのでミキサーのなかに置いておいたスランプが低そうなので水をたす
4 カブリが少なく用意したバイブレータがはいらなかった
5 スペーサー間隔がわるく鉄筋がダレて型枠にあたっていた
6 型枠がはらんだ
7 打設前にコンパネへの散水をわすれた
8 シュートの用意がなかったので2m程投げ下ろす
9 大雨になったが打設した
10 ポンプ車2台なのにバイブレータが3本しかないので1本は(予備にして) つかわなかった
11 日光ではやく乾かそうとシートをはぐっておいた
寒いのでジェットヒーターをガンガンたいて温めた (散水なんかしない)
12 設備屋がせかすので 打設翌日型枠をはずしてやった

いかがでしょうか、いくらエクセンのバイブレータをお使いいただいてもこれでは良いコンクリート構造物など できる訳がありません。幸いなことに今日ではレディーミクストコンクリートのおかげで 1~3 まではほぼ100%の品質が保証されています。

しかし、充分なカブリをとらない躯体設計や、窓の下側などでコンクリートの流れを無視した型枠組み立て などなど、私たちバイブレータの専門屋としてのノウハウを利用していただける部分も、たくさんあるのです。

この章の要点は、良いコンクリート作りの為には工程全般にわたる緻密な管理が不可欠であるということ。私どもの経験値で言うと、強度、仕上がりに及ぼす影響は、

設計、材料、練り混ぜ、運搬 で 20%

投入と打設 (バイブレータ) で 50%

養生と脱型で 30% というところでしょうか。

しかし、どこか一つに欠陥があれば、最終結果はみじめなものとなります。


*この講座はエクセン株式会社の協力・承諾を得てお送りしています。

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