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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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3章 水資源 小林 映章

3.2 日本における水の使用と汚染

3.2.2 地下水の汚染
―いったん汚染された地下水を浄化するには大変な努力が必要―
 地下水は雨水が長時間地下でろ過されてきた水で、本来ひじょうにきれいなものです。近年、その地下水が汚染されて生物に危険な地下水が増えており、ほとんど毎日マスコミで報道されるほど大きな問題になっています。

(地下水の使用状況)
 まず、はじめにわが国では地下水をどの程度利用しているかみてみましょう。表15に地下水の使用状況を示しました。

 地下水依存率は工業用が最大で、それに続いて生活用水となっています。

 用途別にみると、工業用水、生活用水、農業用水で全体の80%以上を占め、この3者がほぼ同じ量の地下水を利用しています。

 地下水が汚染した場合に大きな影響が現れるのは生活用水、農業用水、養魚用水で、全地下水使用量の2/3を占めています。

(地下水の汚染)

 (a) 大腸菌等による汚染
 地下水は私達の生活排水や畜産排水等の汚染を受けやすく、大腸菌に汚染されていることもあります。大腸菌がいるということは、病原菌が含まれている可能性を示唆しています。近年は特に病原性大腸菌O157が各所で検出され問題になっています。

 水質検査を行う場合、通常病原菌を調べないで大腸菌を調べるのは、大腸菌の方が調べやすいからで、大腸菌濃度が大きかったら病原菌が多く存在する可能性も大きいと考えて次のステップに進むわけです。地中にはどんな菌でも必ず存在するはずで、その菌の密度の大小が問題であることは云うまでもありません。

 (b) 難分解性化学物質による汚染
 半導体などの近代産業の発展に伴って、土壌中の微生物によっても分解されにくい、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンといった化学物質に汚染された地下水が増え、各地で問題が発生するとともに、人々を不安に落し入れています。

 トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンは、半導体や金属部品を製造する企業で溶剤や洗浄剤として使われ、これらの漏出による地下水の汚染が当初大きな問題とされました。しかし、当時汚染源として摘発された大きな企業が漏出防止や、漏出物の処理をしても、いまなお個人経営のクリーニング店などは、ドライクリーニングでこれらに代わるものがないため、依然として使用しています。発生源の数が多いだけに今後に問題をはらんでいます。

 上記のような化学物質で、使用された後回収されなかったものは、一部は地下にしみこんで地下水を汚染し、ほとんどは蒸発して、私達の感覚からすると消えてなくなっています。言うなれば、私達の目の届かないところに広がってしまっています。分解されにくい化学物質だけに、見えないからそれでよしとするわけにはいきません。私達が知らない間に冷媒や洗浄剤として使われたフッ素化合物が大気圏上層に貯まってオゾン層を破壊したことを思い起こす必要があります。

 (c) 窒素化合物やリン酸化合物による汚染
 農地で過剰に用いられた窒素肥料や畜産排水、あるいは私達の家庭から出る生活排水によって生じる硝酸性窒素やリン酸化合物による地下水の汚染も深刻です。これらは私達の日常生活を支えるために農地で用いられた肥料のうちの過剰分や、畜産排水、家庭排水などから供給されるもので、なかなか規制することが難しく、生活が豊かになればなるほど量が増えるだけに厄介です。

 1996年の全国調査によると調査地点の約5%の井戸から水道水基準を上回る硝酸性窒素が検出されたそうです。

 【上記各種物質による水質汚染については、後の節でもう少し詳しく調べてみます。】

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