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■コンクリート用混和材料の常識
第03回:AE剤・減水剤・AE減水剤(その2) 藤田 康彦

減水剤の正体はセメント分散剤
独立した微細な空気泡を連行することによりコンクリートのワーカビリティーや耐凍害性などを改善する界面活性剤がAE剤でした。一方セメントに対する分散作用により流動性を改善したり強度を増大する界面活性剤が減水剤です。減水剤は、その分子がセメント粒子の界面に吸着し、静電気的な反発力を持たせてセメント粒子を個々に分散させます。また、減水剤は湿潤作用によりセメントの水和活性を高める効果もあるので、所要のコンシステンシーおよび強度を得るのに必要な単位水量、単位セメント量を減少させることが出来ます。この様に、減水剤は作用の面から言うとセメント分散剤なのですが、コンクリートの単位水量を減らせるところから減水剤と呼ばれるようになりました。AE剤も結果として減水効果があるのですが、セメントに対する作用性を持たないので減水剤とは言いません。


図-1 セメント粒子の分散模式図

減水剤は空気を連行しないので、凍結融解に対する抵抗性の改善にはあまり効果はありません。しかし、空気連行性持たないのでポンパビリティーの低下や打上り面の気泡跡などの問題点を解決することが出来ます。また、減水剤はセメント粒子に直接作用するので、セメントの凝結速度をコントロールすることも出来ます。

AE減水剤は複合競技の選手
AE減水剤は減水剤とAE剤の作用を併せ持つものを言います。AE減水剤には、リグニン系の様に、もともと一剤で分散効果と空気連行性を発揮する界面活性剤を主成分としている物と、オキシカルボン酸系やポリオール系の様に、空気連行性を持たない減水剤成分にAE剤成分を配合した物とがあります。最近は減水剤とAE剤を組み合せた製品が多くなって来た様ですが、メーカーの立場から言うとこの様な合剤系の製品の方が開発し易いと云う側面があります。たとえば、空気連行性を持つ素材では使用量が限定されてしまいますし、連行空気が必ずしも耐凍結融解抵抗性を改善するとは限らないので、せっかくの素材も商品化出来ないことがあります。これに対して、減水剤の成分とAE剤の成分をそれぞれ別個に探索すればその方が効率が良いですし、両者をうまく組み合せることで製品に特徴を持たせることも可能になります。

このようにAE減水剤は減水剤とAE剤の作用を併せ持つので、AE減水剤としての性能や効果も、減水剤とAE剤の性能効果が累加したものになります。スポーツに例えると、水泳の個人メドレーやスキーの複合競技の選手のように、得意種目を軸に高い総合得点を上げるタイプと言えるかも知れません。

AE剤・減水剤・AE減水剤の主要効果をまとめると表-1のようになります。


表-1 AE剤・減水剤・AE減水剤の主要効果

減水剤およびAE減水剤の分類
減水剤、AE減水剤は、セメントの凝結速度をコントロールすることが出来るので、それぞれ遅延形、標準形、促進形の3種に分類され、更に塩化物イオン量によリ更に3種類に分類されています。AE剤にはこのような分類はありません。


図-5 減水剤およびAE減水剤の分類

コンクリート温度20℃の時を標準として、セメントの凝結の速度を早めるものが促進形、遅らせるものが遅延形です。一般の市販品は、コンクリート温度10℃の時に促進形を使用し、コンクリート温度30℃の時に遅延形を使用すると、それぞれコンクリート温度20℃の時と同程度の凝結時間に調整することが出来ます。ただし、促進形はコンクリートの凝結促進効果よりも初期強度発現の促進効果が高いので、低温時における初期強度の発現や型枠存置期間の短縮などを目的として使用されています。


図-6 減水剤およびAE減水剤の種類と凝結時間の違い

各種コンクリートヘの適用と剤の選定
各種コンクリートに推奨されるAE剤・減水剤・AE減水剤を整理すると表-2のようになります。


表-2 AE剤・減水剤・AE減水剤の各種コンクリートへの適用

減水剤・AE減水剤はフレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの諸性質を大幅に改善し、コンクリートの経済性を高めることが出来るため、レディーミクストコンクリートのみならず、コンクリート製品工場などにおいて広汎に使われています。

日本においては、骨材事情の悪化やコンクリート技術の高度化・多様化に対応し、より経済的で耐久性のあるコンクリートを作るために減水剤・AE減水剤は不可欠の存在になっています。特に最近は、省資源、省エネルギーの観点やコンクリートの早期劣化の問題からも混和剤の重要性は更に増して来ていると言えるでしょう。

現在市販されている減水剤・AE減水剤には非常に多くの種類があってどれを選んで良いか迷う事もあるかも知れませんが、我々メーカーの立場から言えば、それらはすべてユーザーの求めによって開発して来たものばかりです。是非とも使用する材料や工事の目的に合致した剤を選定し、それを正しく使用して剤の本来持っている効果を十分に発揮させるようにして下さい。


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