■工業英語の穴
工業英語の穴(その3) 嶋野 周治

翻訳者は、ある言語で表現された文章の内容を別の言語になおすのが仕事です。
通常は文字にすることで作業は終わりなのですが、たまたまその翻訳文を顧客の前で読み上げるよう依頼されたことがありました。 安易な気持ちで引き受けたところ、数や数式の読み出しで四苦八苦する羽目になったのです。
みなさんも、書かれている表現は簡単なのに、その英語読みには困ったことがありませんか?

たとえば、102 、103  は、日本語では、10の2乗、3乗と読みます。 英語ではどう読むのでしょうか?
参考に読み出し方を下記に示します。

102  = ten squared
103  = ten cubed
10n  = ten to the nth power or ten to the n

乗数の読み方だけでなく、簡単な数式でも英語で読み出しをするとなると、結構苦労することがありました。

ある時、教養あるアメリカ人と話す機会があり、ことのついでに積分式を見せ、読み出しをお願いしてみましたが、読み出しはできませんでした。 もっとも日本語でも、積分式の読み出しができるのは限られた人でしょうから、驚くにあたりません。

このほか、四則演算などで読み出しには苦労しましたので、みなさんの中で、同様なことで困っておられる方、 またご興味のある方は、ご一報いただければお助けすることができるかも知れません。


前のページへ目次のページへ次のページへ