先日テレビに出た中曽根元首相が、宰相の条件は、目測力、結合力、説得力の三つだと語っていた。
真空総理と呼んだ小渕現首相は、目測力、結合力は抜群だが説得力はいまひとつなのだそうだ。
私の勝手な解釈を披瀝したい。
目測力というのは、先見力と理解するより、すこし先を見る、人より半歩先が見える程度と考えた方がいい。理想とか未来像とか遠い将来は見えない方がいいのかも。
結合力は門閥、閨閥、派閥など非合理的な集合力であろう。政策、思想で集まるなど不安定の極致。
説得力とは、利害関係の明確化に尽きるのではないか。プラスマイナス、メリットデメリットをはかりにかけ、聞く人を常にプラスサイドに置く技術力の問題なのだ。
確かにこう考えればこの三つは日本の宰相になる条件に違いない。
翻って企業経営を見れば、社長になるにはやはりこの三つの条件が必要か!
理想を持ち、先見力に磨きをかけ、公平無私な人事をし、常にアカウンタビリティに追いかけられる企業トップなんて大人の童話?
中曽根さんは、日本のリーダーとは所詮この程度のものだという痛烈な皮肉をいっていたのではなかったか?
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