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水の話
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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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3章 水資源 小林 映章

3.1 水資源の現状

─水は無限ではない─
 日経サイエンス、2001年5月号に、「しのび寄る水資源危機」というタイトルで、おおよそ次のような記事が載っていました。

 「水資源の危機がしのび寄っている。発展途上国を中心に世界各地で水不足や水質汚染が深刻化し食糧難や感染症の原因になっている。世界の科学者や行政担当者で組織する世界水会議は、2000年春に、2025年には世界人口の約40%が深刻な水不足に直面する、と結論付けている。

 地球の人口は2025年には約80億人に達すると見込まれ、水不足の影響で食糧の供給ができなくなる恐れも出てきた。水利権の問題は古くから地域紛争の火種になっており、水不足が紛争激化に拍車をかける心配もある。

 水資源に比較的恵まれている日本にとっても、世界各地の水不足は対岸の火事ではない。日本は世界有数の食糧輸入国で、国際的な水不足が深刻化すれば食糧などの輸入にも影響が及ぶ。地球的な視点に立って水が限られた資源であることを認識すべきである。」

 建設業にとっても水が非常に重要な材料であることはいまさらいうまでもありませんが、日本では夏期の渇水を除けば水は問題にされず、意識の外にあります。しかし水資源の枯渇は、上記のように、地球規模で急速に進んでおり、もはや目をつぶっているわけにはいきません。そこで3章では水資源について、次のような項目について調べてみました。

 「世界の水資源(水資源量、水資源不足)」、「日本の水資源」、「水の循環」、「森林の水保全機能」

3.1.1 世界の水資源
─人が利用できる淡水は全水量の2.5%、地域的なばらつきが問題─

(1)世界の水資源量
―地球上の水の量は約1.4Eton(1018トン)、そのうち人類が利用できる水は約0.8%―
 表11に地球上の水の推定量を示しました。

 表によると海水は全水量の96.5%を占め、私達が利用できる淡水(塩分をほとんど含まない水)は2.5%に過ぎません。また、地球上の淡水の2/3以上は氷河等の私達が利用困難な水です。水はいくらでもあるのではないかと思いがちですが、陸地にある川、湖沼、地下水などの利用できる水は地球上の水の0.8%程度に過ぎません。

(資源としての水)
 すなわち、水資源と考えられる淡水はごく一部分で、大部分は氷雪の中にあります。私達が実際に利用できる淡水は、直接の雨水を除くと、河川の水と地下水の一部ということになります。

 さらに、私達が利用できる水は、上記の表から計算すると約1京トン(1016 ton)ありますが、水を資源として評価する場合、量とともに質が重要です。上水道用水としては、病原菌や毒物を含まないこと、異常な酸性やアルカリ性を示さないこと、無色透明で異臭などがないこと等々が要求されます。

 工業用水は用途により要求水質がかなり違います。半導体の洗浄用には非常に純度の高い水が要求されますし、ボイラー用水も湯垢がつかないように高い純度が要求されます。また、食品などの原料用水には上水道と同じ基準の水が要求されます。冷却用水になると要求純度はぐっと落ちて、場合によっては海水もOKということになります。私達の関心が高いコンクリート練り混ぜ水になりますと、かなり純度の高いものから、場合によっては塩水も許されることがあります。

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