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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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2章 いろいろな水 小林 映章

2.2 処理の異なる水

 先に(2.1.1)で述べたように、人が生活に必要な水を大量に消費するようになってきてから、またさらに、近年半導体などの高度の純水を必要とする産業が台頭してきたため、水を浄化する技術は著しく発展してきました。この技術の内容は、水に溶解している有害な物質を除いたり、工業生産の邪魔になる物質を除くものです。この処理技術の発展は素晴らしく、現在では無機塩類はほとんど全て、有機物質でも人体に有害なトリハロメタンのような非常に分子量が小さいものでも除去することが可能になっています。

 上記のような水の中に溶け込んでいる有害な物質や邪魔になる物質を取り除くこととは別に、水に積極的に何か物理的、化学的処理を施して、水そのものの価値を高めようという試みが近年になって出現し、いまも続けられています。(オゾンや紫外線による殺菌処理のようなものは、ここでいう物理的、化学的処理には含めないことにします)。

 しかしながら、そのような処理で効果が確認され、広く採用されているものがあるという話は余り聞いておりません。中にはすでにその処理が怪しいことが分かって消滅しつつあるもの、果たして効果があるのかないのか不明なものなど様々です。科学もときには間違うこともあり、また見落とすこともありますので、本当に有効なものを無効、無効なものを有効としているかもしれませんが、現状は、それぞれの処理を信じている人もかなりの数に達しているようですので、間違っているかもしれませんが、筆者なりの考えを述べてみたいと思います。

2.2.1 従来行われた怪しげな処理
 ここでは、世間から信用される肩書きの人(達)が提唱し、その処理を行うための器具なども販売された(されている)もの、すなわち、πウオーター、波動水、トルマリン処理水といったものについて簡単に私見を述べておきます。

(1)πウオーター
 これは、元名古屋大学の先生が提唱したもので、その原理は、「生命を支えている状態とは、二価および三価の鉄塩によって誘導された状態であり、正しい情報を持った微量の鉄塩を体内に入れると本来あるべき健康な体になる(鉄塩のこうした体内での活性状態を水の「π化状態」と呼んでいます)。」というものです。

 先生によると、このπウォーターで植物を育てると、早く成長する、切花も普通の水よりずっと長持ちする、風呂も早く沸く、健康によいなどとされています。この理論が正しいかどうかはちょっと考えると明らかですが、問題はこの水を得るためと称して高価なπウォーター製造器が販売されていることです。「πウォーター」などというと、如何にも「何か特別な有難い水」のように聞こえますが、普通の水は普通の水です。

 国民生活センターは、「πウォーターは水道水と変わりがない」というテスト結果を出しています。

(2)波動水
 MRA(Magnetic Resonance Analyzer)という計測装置があります。この装置によると、「あらゆる物が固有の波動をもっており、その波動と共鳴する周波数を調べることができ、それにより例えばどんな病気も探り当てることができる」そうです。

 この装置は病気の診断ができるというものですが、体によい水も作ることができるのだそうです。その原理は、「MRAで水が持っている生物学的な特質を測定できること、さらに、そのMRAが物質のもつ固有な共鳴波動情報を水にプリントできることから、健康によい共鳴磁場水を作ることができる」というものです。

 他のことはともかくとして、ある共鳴波動情報をプリントした水をつくことができる、などといううたい文句を信じるわけにはいきません。しかし、一般の人にとっては、「波動水はただの水」と言い切る根拠を見出すことは困難でしょう。

(3) トルマリン水
 電気石(トルマリン)という鉱石があります。電気石は、加熱したり、摩擦したりすると静電気が起きるという性質をもっています。この石を使って処理した水は次のような特性を持つと説明されています。

 「電気石は静電気が起きる性質をもっているので、電気石と水を一緒にすると、放電することにより水の分子(H2O)は水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)に分離する。この水素イオンは電気石の(-)電極から放出される電子と結合・中和し、水素ガスとして空気中に放出される。水酸化物イオンは周囲の水分子(H2O)と結合してヒドロキシルイオン(H3O2-)と呼ばれる界面活性物質に変化する。このヒドロキシルイオンは還元作用を持っている。」

 この説明のポイントは、電気石により水は水素イオンと水酸化物イオンに解離され、水素ガスが発生するということと、水中でヒドロキシルイオンという界面活性物質が生成する、ということです。しかし、電気石などで水素ガスが発生することはありませんし、ヒドロキシルイオンなるものの存在を証明した化学者はおりません。

 トルマリン水は、ラジエターに入れると燃費が良くなる、洗浄力抜群で洗剤無しで洗車できる、重油を分解する力がある、飲むと健康増進に役立つ、などとうたわれています。こんなことがあるはずはありません。トルマリン水製造装置として、イオン交換樹脂と組み合わせた、200万円以上のものが売られているというから驚きです。

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