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水の話
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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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はじめに 小林 映章

ほんの少し前まで、日本では「水と空気はただ」という考え方が普通でした。私達の大部分は、水や空気に対して何か特別の意識を持つことなどありませんでした。私達は、普段自分の体のどこかを特別意識することはありませんが、どこか痛いとか、かゆいとか、何か症状が現れると、そこに意識を向けないわけにはいきません。何も意識しないということは、健康な証拠、正常な証拠です。いまは、至る所で水や空気が話題になります。水や空気が、人でいったらお医者さまにかからなければならないくらい痛めつけられた証拠です。スーパーやコンビニの棚にいわゆる名水を入れたペットボトルが並んでいる光景が異常に映らないくらい、われわれはこの病状に慢性化してしまったと云えるでしょう。

都会を流れる河川は大概汚くて、足を踏み入れる気にもなれませんが、水源地ではそのまますくって飲めるくらいきれいな水です。それが流域を流れ下るうちに、家庭からの雑排水、工場排水、ゴルフ場や田畑からの農薬や化学肥料の入った水の浸出、等々で、汚染されていきます。ときにはそのような汚染された水が原水となって浄水場で処理され、一般家庭に入る水道水や工場に配られる工業用水になるわけです。しかし、私達皆がよく知っているように、浄水場で行われる処理は、人に有害な、微生物などの有機物質を除去するのが主たる任務で、そのために多量の塩素系化合物などが投入されることになります。東京都内の水道水は、人体に害はないかも知れませんが、そのままではとても飲む気になれません。ペットボトル入りの水が流行るのも止むを得ません。

このように日本では本来非常にきれいだったはずの水が、人口の増加や、産業の発展、さらにはレジャーの高まりで、著しく汚染され、質が極端に低下したために、いろいろな「水ビジネス」が台頭してきました。深山の水源地から採取してきた水、海の深層水、磁気や電気や鉱物で処理した水、あるいは特別の物質を添加して処理したと称する水、その処理のための器具が販売されています。

水は私達の日常生活に不可欠のものですが、同時に農業、工業をはじめ、あらゆる業種の産業にとっても不可欠で、「使える水」を手に入れることに多くの人達が金と労力を費やしています。勿論建設業界も水に深く関わっています。毎年台風がもたらす大雨による洪水で山や河川が荒らされ、その修復に大量のコンクリート製品が使用されています。但し、このようなことは今回の水の話とは関係がありません。関係のあるのは、コンクリートの製造などに使われる水です。

コンクリート製品や構造物を造るには、水が必須要素であって、大量に使用されますが、その水については余り注意が払われていません。工業用水や水道水をそのまま使用すればよいことになっています。この必須要素である水が地方地方で異なり、しかもその状態が全く分からないままに使われているのが現状です。コンクリート製造時に問題になるいろいろな不良が、ことによると水が原因しているかもしれません。

不純な水は浄化して使えばよいはずですが、それとは別に、物理的に水を処理すると何らかの効果が現れると考えている人もいます。最近、強い磁界の中を通した水を使ってコンクリートを練り混ぜると、圧縮強度などに優れたコンクリートが得られるといったようなことも言われています。何か水にエネルギーを加えると本当に効果があるのかもしれませんし、あるいは特殊な条件下で効果が現われたのかもしれません。

水は最も身近な存在であるにもかかわらず、その純粋な状態でも不明な点が多く、何か科学的らしい説が次々と現われる温床が存続しています。判らないことが非常に多いので、何か考えるもとにしたいと思い、改めて水について調べてみました。

最初に物理化学的にみた水、ついで現実に手に入る水や水資源の問題について考え、併せて水に対して言われていることで幾つかの気になる事柄について触れてみたいと思います。

なお、この調査に当たっては、化学系の専門雑誌の他に、下記の単行本を参考にしました。私のこれから書く文はこれらの本の内容を適当に選択して紹介したものと考えていただくとよいかもしれません。

1)上平恒:水とはなにか:講談社(1977)。
2) D.Eisenberg, W.Kauzmann 著、関集三、松尾隆祐訳:水の構造と物性:みすず書 房(1979)。
3) 鈴木啓三:水および水溶液:共立出版(1980)。
4)高分子学会編:高分子と水、共立出版(1995)。
5)大木道則、他編:化学事典、東京化学同人(1996)。
6)左巻健男:おいしい水安全な水、日本実業出版社(2000)。

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