オ−プンカットというのは、比較的浅い掘削工事において、内ばりを使用
せずに掘削する工法である。道路、鉄道および運河等の掘削のように、内ば
りを使うと工費がかさみ、一方、地盤がかたいため支持ばりを必要としない
ような掘削工事に用いられる。10mより浅い掘削は通常経験によって設計さ
れているが、たいていの土では1.5 割、非常に軟らかい土で2割勾配が標準
である。
10mに近い比較的深掘削には、土質をよく調査し斜面の安定解析を行なっ
て施工すべきである。土が軟らかいとか、表面にクラックがあるような地盤
では特に注意する必要がある。付近で同じような土質の切取りがあるなら、
それらを考慮して、必要なら、破壊を起こすに足る急傾斜の試験掘削を行な
い、そのすべり解析から土の強さを推定して、安全な掘削勾配を決定するの
も一方法である。もし、事情が許されるならば図−7.20に示すような、
土質によって、勾配を変えたり、斜面の途中に犬走りを設けるのも良い方法
である。
切取り部の安定は、土の応力を減少すること、土の強度を増加することで
改良できる。切取り部の傾斜をゆるやかにすれば、この土の応力は減少する
し、それほど用地を確保できなければ、傾斜をゆるやかにして、下部を擁壁
や支持枠で支えるようにする。粘性土においては、クラックから浸入する水
や、砂質土内の間隙水圧の上昇は、土の強度低下の原因となるから、表面排
水設備によって地中への浸透を防止することは重要なことである。
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