コンクリートと型枠との付着を防止し、型枠の脱型を容易にするもの。
(1) コンクリート離型剤の役割
第1に離型力が良いことが必須条件であり、かつ生産性の良いもの。即ち、コンクリート付着による製品表面の肌荒れや割れ(欠落)を防止し、又型枠の汚れや錆を防止するもの。
第2にコンクリート製品の外観(気泡、色、光沢)向上による商品価値のアップであり、近年特にその要望がレベルアップしている。
○コンクリート離型剤に要求される性能は
- 離型力が良好であること。
- 製品表面に有害な欠陥を生じないこと。すなわち気泡(空隙)がないこと。侵食やコンクリートの硬化不良がないこと。
着色や汚染がないこと。表面仕上げ(塗装、モルタル塗り、タイル張り等)に支障がないこと等である。
- 型枠にセメントペースト(ノロ)が残存しないこと。
- 金属製型枠に対して防錆性を有すること。
- 水で濡れた型枠表面に塗布しても性能を発揮すること。
- 塗布などの作業性が良いこと。
- 衛生上や防火上の安全性が高いこと。
- 品質が長期間安定であること。
等である。
(2) 離型剤としての諸性能の相互関係
(3) 離型機構(模式図によるメカニズムの説明)
☆化学吸着型
離型剤成分のうち吸着成分およびセメントペーストに含まれるカルシウムイオンとの反応により形成した撥水性のカルシウム石けんの吸着層によってコンクリートの脱型を容易にする。
☆物理被膜型
離型剤成分は主に鉱物油、樹脂被膜、ワックス被膜等の物理的なものによって脱型を容易にする。
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