■工業英語の穴
工業英語の穴(その10) 嶋野 周治

工業英語において間違えやすい言葉を何点か紹介しましたが、 もちろん一般の英語でもこうした用例が数多くあります。 そうした言葉をまとめた辞書があるのです。
「Room's Dictionary of Confusibles」と言うものです。

例を引いてみましょう。
lusty/lustfulを見ると、
Lusty means'vigorous','hearty',as of a 'lusty' bull or a 'lusty' appetite.
Lustful means'full of sexual desire',as seen in a 'lustful'look (a lecherous one).
小生、暇にまかせてかようなものを読んでいます。(エロ爺?です)

工業英語に戻ることにしましょう。
最近PL法がまた問題になりました。 顕著な例として、某暖房機が、燃料の不完全燃焼による一酸化炭素中毒の危険があり、 メーカーが回収に腐心している件があります。

こういう問題には、取り扱い説明書などの記述が、 重要な論議になることが多いのです。

さらに翻訳文の場合は注意が必要です。 英語国でも英語を堪能に話せない人はいますし、英語理解の程度もまちまちです。 従って取り扱い説明書は出来る限り易しい英語を使うべきです。

また、よくあるケースで、「メンテナンスフリー」と原文に書かれていますが、単純に翻訳すべきかどうか、悩みます。
時間があれば、元原稿を執筆した技術者にヒヤリングをしたくなります。 良く聞けば、その程度のことは当然するでしょうという話が、書いてなければ、 消費者はやらないのであって、そこが問題なのです。

従って、「メンテナンスフリー」は、「ミニマムメンテナンス」と言い換え 当然すべき程度の作業は、such as ...と書き出しておくことが重要になります。


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