■夢追人のコラム:2000年06月02日号
No.12:革新への一歩はまず...........から!? 夢追人

はなから人様の著作を引用することををお許しいただきたい。
中小公庫マンスリー’9812月号調査レポート(1)
一橋大学大学院経済学研究科教授小田切宏之著「これからの産業組織の鍵を握る中堅企業」−”分社化”は協調と競争の原動力ー からの抜粋である。

○革新をなした企業は淘汰に生き残れる!!
「進化のプロセスには淘汰(選択)が欠かせない」 何らかの点で、たとえわずかでも有利な革新をした企業は、複雑で、また時には変化する経済条件のもとで、生存の機会により恵まれ、こうして自然に選択される。

○革新とはどんなことか?
革新によって企業のさまざまな能力を拡大していくことなしに、企業は発展し得ないことを歴史的考察から主張したのはチャンドラーだし、こうした能力のなかから核となるものをコア・コンピタンスと呼び、それを生かす経営を主張したのはプラハラッド・ハメルであった。注意すべきことは、こうした革新や能力の概念が幅広いものであることである。
シュンペーター自身が革新として「新商品、新技術、新供給源泉、新組織型」(中山伊知郎、東畑精一訳”資本主義・社会主義・民主主義”東洋経済新報社153P)をあげているように革新は技術的なものに限らない。
原料の新しい供給先を見つけ出すのも、商品の新しい販売ルートを作り出すのも、経営組織の新しい形態を採用するのも、すべて革新である。したがってシュンペーターの言葉も、技術的な意味での能力はもちろんのこと、工程管理、マーケティング、調達、組織、経理、海外事業、経営などすべてにおける企業の能力を意味するものと解しなければならない。進化のプロセスにおいて淘汰に生き延びていくのはまさにこうした幅広い意味での能力をもつ企業に他ならない。
さらに、−革新は単に技術、特に図面に書かれ、特許になされるような技術に限らず、幅広いノウハウ、工程管理、アフターサービス、顧客の声のフィードバック、品質へのきめ細かな配慮などをいう。

○競争のプロセスに生き延びる企業とは?
-多くの場合さまざまな工夫を積み重ね、失敗からの学習、地道な品質へのこだわり、こうしたものが企業の能力を形作っていくものであり、大企業であれ、中小企業であれ、それなしには競争のプロセスに生き延びていくことはできない。

以上長々と引用した。私ごときが異論をはさむ余地がないほど当然であると思うからである。但し任意な個所の抜粋であり、文意が整然としないのはご勘弁いただきたい。
現在業界では、それぞれの企業が経営の革新に向かって悪戦苦闘中と推察する。そこで私は、革新のきっかけを掴むひとつの方策としてISO9000sに挑戦したらどうか、と思うのである。 ISO9000s,そして次にISO14000、さらにISO10006(プロジェクトマネジメント)へと高い目標を掲げることで活路が拓けてくるものと確信している。

ISO10006-プロジェクトマネジメント-は歴史ある手法であるが、これまでわが国では積極的に導入されてこなかった。その理由は、ISO9000shへの対応の際にも指摘されている日本社会の特殊性(各従業員の責任範囲の曖昧さのため、適切にプロジェクトマネジメントを実施できない)があると言われている。しかし世界経済のグローバリゼーションの進展に伴い透明性、公平性ある世界標準の導入が求められるようになり、ISO9000s同様プロジェクトマネジメントについても導入の必要性が高まってきている。
(標準化ジャーナルVol 28. 1998.12)

1999年12月2日号「わからずやこそ時代を変える!」をもう一度目を通していただきたい。


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