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水の話
株式会社浅見製作所
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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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3章 水資源 小林 映章

3.1 水資源の現状

3.1.3 水の循環
―地球上の水は太陽エネルギーにより絶えず循環している―
 前節及び前々節でわが国および世界の水資源について概観しました。水は地球表面全域にわたっていろいろな状態で存在しますが、この水は絶えずその状態や存在場所を変えて、循環しています。この水の循環について簡単にみてみましょう。

(水のおおまかな循環)
 水資源のおおもとは雨と雪です。地球上の大部分を占める海からは、太陽エネルギーによって絶えず水が塩分を含まない水蒸気となって蒸発し、水蒸気は上空で凝結して雲となり、やがて雨や雪となって降ってきます。雨や雪の90%近くは直接海上に降りますが、残りの水蒸気は風によって陸地に運ばれて、地上に降ります。地上に落下した水の65%は蒸発して大気中に戻ります。残りの一部は地中に浸透して地下水となり、地中をゆっくり流れて河川や湖沼に行きます。あるいは直接地表面を流れて河川に注ぎ、やがて海に至ります。

 太陽のエネルギーで盛んに蒸発した水は、ほぼ10〜15日で雨や雪として再び地表に戻ります。これが休むことなく繰り返されています。

 水循環は地表の温度調節の役目も果たしています。水は蒸発の際に多量の気化熱(100℃で68cal/g)を奪い、逆に水蒸気から液体水に凝縮する際には同温度で同量の熱を放出します。このため水の豊富な地方では極端な温度変化が起こりません。この温度変化は水の少ない砂漠と比較すると明らかです。

(地下水の滞留時間)
 雨として地上に降った水は一部は地表面を流れて直接河川に注ぎ、一部は地下水として長期間地下に蓄えられ、徐々に地上に湧出してきます。それでは地下水はどの位の時間地中に留まっているのでしょうか。表13に地下水の滞留時間の概略を示しました。

 すなわち、地下水の滞留時間は、地域や深度によって異なりますが、平均すると800年程度です。循環速度は一般に浅いほど活発で、滞留時間も短くなります。我が国の場合で見てみますと、山地小流域の浅層地下水の滞留時間は数年、洪積台地(約170万年前から1万年前の時代にできた台地)の浅層地下水の滞留時間は十数年です。これに対して関東構造盆地の被圧地下水の滞留時間は数十年ないし数百年と推定されています。

(日本の水収支)
 ここで、日本における水の循環を簡単な図で追いながら、併せて日本の水収支を概観してみましょう。

 図14に日本の水収支を示しました(左巻健男:おいしい水安全な水:日本実業出版社(200)より)。図のように、日本の平均降水総量は6,500億m3/年ですが、そのうち蒸発散量を除いた平均水資源賦存量は4,200億m3です。降水量のうち、農業用水、養魚用水、工業用水、および生活用水に使用される水は819億m3で、大部分すなわち3,381億m3は海洋に直接流れ出すか、地下水となります。地下水のうち、147億m3は地下から汲み上げられて使用されます。

 日本で利用される水の約2/3は農業用水、次いで生活用水として使われています。したがって、この2つの用途で節水を図らないと、水の有効利用は果たされないことが分かります。

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