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水の話
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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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2章 いろいろな水 小林 映章

2.1 溶解成分の異なる水

2.1.2 無機塩類溶存水
(2)世界の水の硬度
 日本では水道水を何の疑問もなくそのまま飲んでいますが、海外では飲めないところが多いと云われています。もっとも、日本でも都市では臭くて飲めない水道水が多くなっていますが。

 私達が飲めない水には2種類あります。その一つは消毒が不完全で病原菌が入っているか、それを殺すために使った塩素化合物の臭いがきついものです。他の一つは硬度が高い水、特にマグネシウムが多く含まれている水です。マグネシウムイオンは硫酸イオンと対になっていることが多く、硫酸マグネシウムが弱い下剤であることを考えると、このような硬水を飲むことは下剤を飲むようなもので、おなかをこわすのもうなずけます。さて、それでは世界の水は日本に比べてどの程度硬度が違うかみてみましょう。表10に値が正確に計られている世界の水の硬度を示しました。
(左巻健男著:おいしい水安全な水:日本実業出版社(2000)参照)


 表10を見ますと、アジアとアフリカはデータが少ないのでなんとも云えませんが、欧米の水の硬度は日本よりも高い方に分布しているようです。日本の水道水の硬度は最高で200mg/l程度だそうですが、欧米では300mg/lの水道水もあるようです。そんなことから、欧米の水は硬度が高くて日本人には合わないと云われることが多いのですが、表10は欧米といってもかなり巾があることを示しています。

 アメリカをみますと、ラスベガス(300mg/l)やシカゴ(130mg/l)、ワシントン(125mg/l)は高めですが、ニューヨーク(20mg/l)やサンフランシスコ(55mg/l)は日本と同じ程度です。

 ヨーロッパはかなり高い方に分布していますが、やはり巾は大きく、ノルウェーやスイスでは氷河の雪解け水を利用しているので、東京の水よりも硬度が低いそうです。

(水の硬度はコンクリート工業に影響するか)
 コンクリートは多量にカルシウム分を含んでいるので、たとえ使用する水の硬度が高くても影響はないでしょうが、近年のように多量の有機混和剤(界面活性剤)が使用されたり、型枠離型剤に脂肪酸系の成分が多い場合などには全く影響がないとは云えません。かつて白馬岳の登り口の白馬村に宿泊したときに、風呂で石鹸が落ちなくて往生したことがありますが、あの水はかなりの硬度だったと思います。カルシウムイオンやマグネシウムイオンは脂肪酸と直ちに反応して水に不溶性の金属石鹸を作ってしまうので、このような水を使用する地域では注意しないと問題が起こる可能性を秘めていると思います。しかし日本は表10のように特殊な地域を除くと水の硬度がかなり低いので問題はないでしょう。

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