エクセン株式会社
「コンクリートの締め固め」はエクセン株式会社のご協力でお送りしています。
■コンクリートの締め固め 「高流動コンクリートについて」
7.高流動コンクリートについて

●いわゆる高流動コンクリートについて

ボルトランドセメントによる構造物の歴史は約100年、20世紀の社会と文化を支えてきた主要な材料です。コンクリート構造物は社会基盤を構成し、同時に21世紀に引き継くべき財産でもあります。地震・台風などの外乱に対し安全性と耐久性が求められ、資源・環境・エネルギーへの配慮も必要です。

こうした中、生コン時の流動性を大きく求めた高流動コンクリートも開発されてきました。ことに東京大学工学部岡村教授は「ハイパフオーマンスコンクリート」の発表において、「従来の打設作業におけるパイプレーターを使用した振動締固めという苦役作業を解消し・・・」とマスコミPRをなされ、増粘剤系高流動コンクリートが自己充填形の万能コンクリートであるかのように扱われた時期もありました。

さらに各セメントメーカーや添加剤メーカーからも

  • 水中不分離コンクリート
  • 締固め不用コンクリート
  • 高流動コンクリート
  • 超流動コンクリート
などの名称で各種の発表がなされました。

私どもはコンクリートパイプレータメーカーですが、そのコンクリートに十分な強度と耐久性が保証される限り、これに異を唱えるものではありません。

今日、日本コンクリート工学会においては、高流動コンクリートとは、フレッシュ時の材料分離抵抗性を損なうことなく、流動性を著しく改善したものととらえ、業界内ではそれを達成すべく2つの方向に分かれています。

  1. 分離抵抗を高めるのに増粘剤を使用し、充填性能は高性能(AE)減水剤で高める
    【高性能(AE)減水剤とは、ナフタレン、メラミン、ポリカルポン酸、アミノスルホン酸などがある】
  2. 生コンの混和材系の粉体割合を増やす
    【粉体とは、高炉スラグ微粉末、フライアツシュ、石灰石微粉末、シリカフユームなど】
当社は新しい生コンが開発されることは喜ばしいことであると思いつつも、元来、人の管理の元で無機質材料の混合物として成り立づているコンクリートに、添加剤として多量の有機物を加えることに大きな危惧を表明します。十二分に品質と施工が管理された在来型の生コンを使用し、プール養生などの十分な養生を経て構造体として完成された東京湾横断道路の耐久性においても、まあ100年は大丈夫でしょうと言うレベルなのです。

目先の流動性を求めるがゆえに、無機質材料以外で混合構成をする事は、まだ耐久性において出たとこ勝負。今がよければ30年先は知らないよでは、後生に引継ぐべき建設に携わる一員として、あまりに無責任であると思います。言い換えれば、キチッと締め固めの出来ない様な、意匠優先の設計がなされるべきではないと思います。高流動コンクリートは万能コンクリートではあり得ません。どうしても複雑な形状となるといった自己充填を必要とする場所での利用に限定されるべきと考えます。貴方が自社ビルを建築する時、耐久実績が示されていない高流動コンクリートで建てますか?


●二次製品工場における高流動コンクリート

コンクリート二次製品工場においても、作業環境改善の要請から、高流動コンクリートの実験が数多く行われ、シーソーの様な揺動式打設装置(振動機ではありません)との組み合わせも目にすることがあります。(なぜ揺動式かというと、前記1のタイプの高流動コンクリートは、「振動が効かない生コン」だからなのです)

しかしビンガム近似体と位置付けられる従来の生コンと違って、水の様な生コンを、ただでさえトロ漏れする様な型枠に投入しても、まともな製品が生まれる訳もありません。高流動コンクリートを試すなら、側圧を設計要素に織り込んだ型砕から話が始まらなければならず、次に本当に振動がいらないのかの検証がなされるべきです。この分野でのカギは配合設計と、型枠と、打設方法にあります。

私どもの知る限り、その様な技術を持づていらっしゃる企業として、

型枠、プラントメーカーとして
トヨタ工機株式会社殿
(本社 府中市四谷 社長 豊田実氏 TELO423−66−6011)

現場打ちコンクリートのコンサルとして
株式会社総合コンクリートサービス殿
(東京事務所 港区西麻布 社長 岩瀬文夫氏 TELO3−5467−3851)

二次製品工場のコンサルとして
セルテック株式会社殿
(本社 府中市寿町 社長 松永凱晴氏 TELO423−65−8717)

などが良いお仕事をなされています。


●おわりに

私どもの企業理念の一つは、振動の分野において世界一の専門家集団になることです。結果として良いコンクリート構造物が生まれなければ、私どもが世の中のお役に立ったとは言えません。販売店様、レンタル業社様、コンクリート二次製品工場様、そしてすべてのユーザー様と手をたずさえて、良いコンクリート作りのお手伝いをして参りたいと念願しています。

参考資料

「内部振動機によるコンクリートの振動締団めに関する研究」平成5年東洋大学工学部坂本信義
「コンクリートパイフレーター技術資料」工クセン株式会社講習会用資料
「土木工学通論」八十島義之助 技報堂出版株式会社
「コンクリート技術の要点‘92」(社)日本コンクリート工学協会
「コンクリート標準示方吾平成3年版施工編」土木学会
「ザ生コン」井上博/岩瀬文夫(株)建築技術
「Cons01idationofConcreteJStevenH.Gebler ACISP−96
「プラスチックスペーサ物語」 萩原五郎/渡部知昭武蔵野機工株式会社
「コンクリート工学」Vo旧7 Nol日本コンクリート工学協会 技報堂出版

本文の文責はエクセン株式会社技術部 コンクリート技士 島田秀夫 宮崎貞雄にあります。

著作権はエクセン株式会社に帰属します。

転載を希望する場合は、書簡またはE−MAIL(info@exen.co.jp)にてお問い合わせ下さい。


*この講座はエクセン株式会社の協力・承諾を得てお送りしています。

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