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伊藤教授の土質力学講座
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第5章 土の強さ
我々の対象とする土の力学的な問題は、他の土木材料と違って、力が加わ
っても、それにしたがって、変形が単純に規則的に起こってくれない。その
ために、現在のところ、
・土に加わる力の問題・・・・・・・土圧および土の支持力などの諸問題
・土の変形の問題・・・・・・・・・・・圧密および地盤沈下などの諸問題
に分けて説明するのが便利である。6,7,8章は、そのような考え方で、
応用的な面から土の強さを検討している。
また、土そのものも、第2章 土の基本的性質および物理的性質で述べた
ように、その粒度構成や含水比などで、非常に広い範囲にわたって性質が変
わるため、
・砂質土・・・・・各粒子の強さと、そのかみ合わせで土の強さが決まるもの
・粘性土・・・・・各粒子間の粘着力から土の強さが決まるもの
に大別して論ずることも多い。

5.1 土中の応力とモ−ルの円
(1)組み合わせ応力
土に加わる応力は、二つの成分に分解され、一つは面に直角な垂直応力σ
で、もう一つは、面の表面に沿って働くせん断応力である(図−5.1(a))。



平面に働く応力が、単に垂直応力だけでτ=0のときは、この垂直応力を主
応力という(図−5.1(b))。岩石やモルタルの供試体の上下面に、ゆっく
り増加する圧縮力が加えられるとき、これらの圧縮応力は主応力になる。主
応力の働く面を主応力面という。一般に供試体のすべての面に圧縮応力が加
わると、これらの、互いに独立な直角をなす主応力を、大きい順に最大主応
力σ、中間主応力σ、最小主応力σという。
図−5.2のような単位寸法の立方体を、斜面で切ると、力の釣合いから、
この面に働くせん断応力と垂直応力を計算することができる。


ここで簡単にして、二次元で考えると、
上下方向に加わる力 P3=σ×1×1
水平方向に加わる力 P=σ×1×tanα
よって、斜面に垂直なP、Pの成分の合計は(図−5.3参照)。


Pn=Pcosα+Psinα
=σcosα+σtanα・sinα
斜面に平行なP、Pの成分の合計は、
Pt=σsinα−σtanα・cosα
斜面の面積は、1×sec αであるから、その面に働く垂直応力σα、およびせ
ん断応力ταは、

この二つの式で、最大主応力面とαの傾きをなす面の応力が計算できる。
また、これらの式から、次の重要な結論が得られる。
()τmaxは、sin2α=1(α=45゚および135゚)でおこり、その大きさ
は(σ1―σ3)/2に等しい。
()σmaxは、cos2α=1(α=0゚) のときに生ずる。
()σminは、cos2α=−1(α=90゚) のときに生じ、その面は最小主
応力面に平行である。
(2)モ−ルの応力円
モ−ル(Otto Mohr)は、土の任意面に働く応力を、図解で求める方法
を考案した。図−5.4(a) のようにx軸に垂直応力σ、y軸にせん断応
力τをとることにする。土質工学では、引張力の現れることはめったにない
から、x軸の(+)を圧縮力にとるのが普通である。



この図の上に、主応力σ、σの座標がプロットされる。主応力面では、
τ=0であるから、共にx軸上にある。この点を通り、中心が((σ+σ)
/2,0)にある円を描くと、半径は(σ−σ)/2に等しい(図−5.4
(b))。この円をモ−ルの応力円という。
σ軸から反時計回りに2αはかって半径を引くと、円周との交点は



となり、最大主応力面とαの傾きをなす面上に働く垂直応力、およびせん
断応力を表わす。これらの値は、前記の(5.1)、(5.2)式と全く同じで、図−
5.2と図−5.4のモ−ルの円との間には、次の対応のあることがわかる。
任意面の応力・・・・・・・・モ−ルの円上の座標
面の方向・・・・・・・・・・・・モ−ルの円の中心角の半分

5.2 土のせん断抵抗
乾いた砂を図−5.5のように、じょうごで落とすと、砂の山ができる。

その砂粒子が砂山の斜面を、まさにすべり落ちようとするときの粒子間の力
の釣合いを調べると、砂粒子の重さ(mg)、砂の山の粒子からの反力(N)、
砂粒子相互の摩擦係数をμとして、
斜面に平行な方向 mg・sinψ−μN=0
斜面に垂直な方向 mg・cosψ−N=0
これらからNを消去すると μ=tanψ
この角ψを、砂の安息角(内部摩擦角)という。この角度以上の急傾斜にな
ると、摩擦抵抗は、すべり落ちようとする力に耐えきれず、砂はすべり落ち
ることになる。
実際の砂の破壊は、すべり摩擦や回転摩擦が組み合わさり、さらに、また砂
粒子の相互のかみ合わせなどが影響するから簡単ではないが、だいたい、こ
のような垂直応力と内部摩擦角によって強さが決まるという考え方に立って、


またク−ロンは、一般の土のせん断強さτf は、土の内部摩擦角と粘着力
で決まるとして(5.6)式を提案した(図−5.6(b)参照)。

また、粘性土では、内部摩擦角がほとんど0と考えられるから、(5.6)式
の右辺の第2項はなくなり、これを図示すると図−5.6(c)のようになる。



いま、土のせん断強さが、ク−ロンの式で表わされるとすると、ク−ロン
の式は、土の破壊限界を示すものであるから、これを図−5.7のようにク
−ロンの破壊包絡線MNとしよう。この破壊包絡線MNと、モ−ルの円を同
時に考えると、図−5.7を参照して、


(T)モ−ルの円が小さくてMNに接しないから、土の内部応力は破壊まで
至らない。
(U)モ−ルの円が大きくてMNと交わる場合は、弧PQの部分は、土の破
壊に対する抵抗力より大きい応力状態が土の内部に生じていることになり、
不合理で、こんなことはありえない。
(V)モ−ルの円がMNに接するときが、ちょうど、この土の破壊時の状態
を表わす。このときのモ−ルの応力円を、とくにモ−ルの破壊円という。

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