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株式会社浅見製作所
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伊藤教授の土質力学講座
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第3章 土の透水性と毛管現象
3.6 毛管現象と土の凍上
毛管作用で土中に保持されている水は、土の収縮性、粘着力および凍上性
など、種々の重要な工学的特性に大きな影響を与えている。

3.6.1 土の毛管作用
水は一定の表面張力を持っているので、毛管と呼ばれる細い管の中では、
ひとりでに上昇して毛管曲面を形成する(図−3.27)。直径d(cm)の細
いガラス管の中では、その上昇高h(cm)は、(3.32)式で与えられる。


 
土はもっと複雑な構造を持っているが、やはり不規則な無数の毛管が存在
するから、近似的には(3.33)式のような上昇高hc (cm)を示すことが、実験
的に認められている。

この式からもわかるように、砂のような粗粒土では粘土と比較すると、毛
管上昇高hc は小さい。しかし透水度がよいため上昇速度は比較的大きい。

3.6.2 サクションと毛管圧力
乾燥して不飽和の土が、毛管現象によって水を吸い上げている力をサクシ
ョンという。これは見方を変えると土粒子が水によって互いに引かれている
力ともいえる。
この水によって土粒子が圧縮されている力を毛管圧力という。サクション
(S)は、土砂道の路面破壊や、土の凍上性に関係ある値で、(3.33)式のhc
に水の単位体積重量γwを掛けて(3.34)式のように負圧の形で表わす。また、
その大きさは水柱の高さ(cm)か、または水柱の高さの常用対数をとり、pF値
で表わすことが多い。
S=−γw・hc ・・・・・(3・34)
土のサクションは土の性質や含水量で、その値が大きく左右されるが、同
じ含水量でもそれが増加する場合と減少する場合とでは、その値が異なる。
その一例を図−3.28に示した。

 

3.6.3 土の凍害とその対策
寒い地方では、冬季、土が凍り霜柱がたつことがあり、そのため道路や鉄
道の路盤などが
(1)土の凍上作用のために地表面が不規則に持ち上がる。
(2)その地盤が融解するとき、土中の水分が過大となるため、地盤が軟弱
になる。
などの被害が生ずる。
これは、水が4゜Cより冷えると堆積が膨張し始め、氷になると、その体積
は約9%も増加することによるもので(表−3.4参照)、ある種の土では、
さらに毛管現象により水を下から吸い上げる働きもするから、この膨張量は
より一層大きなものとなる。
 

凍上の起こりやすい地盤を調べると、次のようなことがわかる。
(1)土の毛管作用が大きく、かつ透水性がよい。
(2)毛管作用による下層からの水の供給が十分である。
(3)凍結温度の継続時間が長い。
このうち、(1)は土の粒度構成に関するもので、これがシルトやシルト
分の多い砂質土に凍上を起こさせる原因となっている。図−3.29に凍害
を受けやすい土の粒度を示した。これに反し、砂や礫では透水性は大きいが、
毛管上昇が小さいため凍上は起こらず、また粘土では、毛管上昇高は大きい
が透水性が小さいため、凍結が長期間にわたって連続しないと凍上は起こり
にくい。
凍上およびその融解被害に対する対策としては、
(1)不良な土層を凍害の少ない材料と置き換えする。0.02mm以下の粒径が
3%以下であるような材料は凍上に対し安全である。
(2)地下水位を低下させる。路面から地下水位までの鉛直距離を2m以上
にさせるのも一方法である。
(3)毛管作用をしゃ断するために、下層に20〜30cmの粗砂層か、炭がら層
を設ける。
などが考えられる。
 


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