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■私のコンクリート補修物語
第5部 防錆剤を用いたコンクリート補修 堀 孝廣

5-5 モルタル中からコンクリート中へのイオンの拡散(1)

 コンクリート内のイオン拡散については、《3.13塩化物イオンの浸透・拡散》の項で述べたが、モルタルからコンクリート内へのイオンの拡散はどのようにして進むのであろうか。モルタルとコンクリートを擬して、以下のようなモデルを考えた。

 Fickの拡散第2法則がこの場合にも適用できると考え、但し条件ごとに表面からの溶出、モルタル内の拡散、モルタルコンクリート境界面での移動、コンクリート内での拡散と4つの異なった拡散係数を設定し、差分法で計算を試みることとした。計算方法の詳細につては、専門的になるのでここでは省略する。

 尚、以下のシュミレーションでは、コンクリートもモルタルと同様な均質材料として取扱っている。しかし、コンクリートにはモルタルと違って、粗骨材が含まれており、粗骨材の影響をどう取扱うかという検討課題が残されている。しかし、モルタルからコンクリートへの拡散状況を知る上で、以下のシュミレーション試験は大いに役立つものと考えている。 それでは、シュミレーションの幾つかの事例を示そう。

共通条件

  1. コンクリートの拡散係数(D3)
    水セメント比が0.5〜0.6の平均的なコンクリートとして、1.5 cm2/yearとした。

  2. モルタル中の亜硝酸イオン量
    モルタル中に混和される亜硝酸リチウムは、セメントに対して10重量%混和されるとして、亜硝酸イオンとして44.5kg/m3とした。

  3. 表面からの溶出係数(D0)
    5年間の屋外暴露実験による亜硝酸イオンの収支バランスから、D0=0.005cm2/yearとした。

シュミレーション1 経過時間とイオンの拡散
 時間の経過とともに、亜硝酸イオンがモルタル中からコンクリート内に拡散していく様子を見てみよう。

 X軸の表面からの距離には、モルタルの厚みも含まれている。
 モルタルの拡散係数も、モルタルとコンクリートの境界面の拡散係数もコンクリートと同じく1.5 cm2/yearとしているので、時間経過に伴い、滑らかに逐次亜硝酸イオンがモルタルからコンクリート中に移行、拡散していく状態が示されている。

シュミレーション2 モルタルの亜硝酸イオン濃度と拡散
 モルタル中のイオン濃度が、拡散に極めて大きな影響を及ぼすと述べたが、そのことについて検証してみよう。

 上記の図から、モルタル中のイオン濃度を高くすることが、拡散に対して大きな影響を与えるということが、おわかりにいただけたと思う。亜硝酸リチウムがセメントに対して、セメント物性を損なうことなく多量添加が可能であったということが、浸透型防せいモルタルという概念が誕生させたのである。


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