スリオンテック ピールアップ型両面テープ
コンクリート製品メーカー必携!! 蒸気養生でもキレイに剥がせる両面テープ!!
■私のコンクリート補修物語
第3部 塩害による鉄筋腐食 堀 孝廣

 アルカリ骨材反応の最後のページで、《構想が練り上がるまでお休みします》などと格好の良いことを書いてしまいましたが、一向に構想がまとまらない。このままでは、ずるずると書くのが億劫になってしまいそうなので、取敢えず身近な所から始めることにしました。 あっちにいったり、こっちにきたりすることと思いますが、そんなものだと思って、読み飛ばして下さい。

3.1 はじめに(我が家で起きた腐食問題)

 つい先日我が家で2件の腐食によるトラブルが発生した。 1件目は、台所のシステムキッチンの壁際にいつも小さな水溜りができるようになったことである。初めは流しの上から水がこぼれたのだろうと思って、家内にそれとなく注意したら、とんでもない剣幕で怒られた。 それでは、これは隣に置いてある冷蔵庫の霜取りのせいではないかと考え、冷蔵庫の中身を全部取出し、冷凍庫の霜も完全に溶かし、庫内をからからに乾かし、さーこれで一件落着と思いきや、相変わらず水溜りができる。しかも前よりも水溜りが大きくなってきている。これはおかしいとやっと水の出所を本気になって調べてみると、壁と床の間からじわじわと滲み出してきている。それまでにも流しの下を覗いて見てはいたが、これはもう水道関係しか考えられないと、流しの下の奥のパネルを取り外したところ、案の定水道管の接続部からポタッ、ポタッと水滴が落ちていた。外してみると、鉄製のニップルがひどく錆びて、ねじの部分が溶けてしまっていた。 屋外からの鉄管と屋内の真ちゅう製の蛇口とをこの鉄製のニップルで接続していたのである。ついでに、隣の温水側の配管もチェックすると全く同じ状態で、こちらも時間の問題で水漏れが発生する状態にあった。 筑後7年でこれはひどいじゃないかと住宅メーカーに電話したところ、すでに保証期間が過ぎているので、修理にはお金がかかるとのこと。

 やむなく、ホームセンターにその錆びたニップルを持込み見せたところ、7年でこのように錆びるのは水が悪いからだと言われた。ホームセンターでは、鉄製と真ちゅう製の2種類のニップルを置いていた。当然鉄製は真ちゅう製の半分以下の値段であった。読者にはもうおわかりことと思うが、これは異種金属を接続してしまったことに本質的な誤りがある。真ちゅうは銅と亜鉛の合金であり、鉄よりははるかに錆びにくい金属である。鉄と真ちゅうとを直接つないでしまえば、電池作用が起こり、鉄が急速に腐食する。おまけにニップルはねじが切ってあり、ねじの溝の部分は薄くできているので、ここから孔が開いてしまったのである。さて、ホームセンターで、私は真ちゅう製のニップルを購入した。これを外からの鉄管につなげば、今度は鉄管の方が腐食が進むだろう。 鉄管は比較的肉厚があるので、やや長持ちするだろうと期待はしているが、やはりいつ何時腐食して水が漏れ出すかわからない。本当は屋外からの鉄製の水道配管と屋内の真ちゅう製の水道用器具との間の異種金属接触による電池作用を起こさせないために、樹脂製のニップルを使い電気の流れを絶縁してやらなければいけない。しかし、樹脂製のニップルはホームセンターには置いてなく、取り寄せに日数がかかるという。 おそらく、我が家だけでなく、多くの家が同じような問題でトラブルを起こしているものと思われる。しかも、水漏れが普段目の届かない壁の内部で起こるだけに、きわめて厄介な問題である。

 我が家で起きたもう一つのトラブルは、我が家では太陽熱を利用した温水器を利用しているが、温水器とガスボイラーとの給湯切替えをバスルームから行えるように、ワイヤーを使った遠隔操作ができるようになっている、そのワイヤーの先についた切替え栓を回す鉄製の箱型をした部分が、腐食してぼろぼろになってしまったことである。切換えの栓は、銅でできていた。ここでも、異種金属の接触による腐食が起きていたのである。この温水器は、某一流メーカーの商品であり、これは明らかに設計の間違いである。

 このように、腐食に関してはごく基本的なことでありながら、ちょっとした不注意、或いは知識の不足のために、思わぬ結果を招くことが良くある。錆びるはずのないコンクリート内の鉄筋が数年にして腐食し、コンクリートを剥落させる。

 金属の腐食に関しては、石器に代わって青銅が使われるようになって以来、延延と研究されてきたテーマである。 現在では、分析電子顕微鏡の発達によって金属表面の分子レベルでの解析が可能となってきている。しかし、コンクリート内のように複雑に、水及び各種のイオンが交錯している系内の研究は、まだ殆ど進んでいない。 金属腐食の研究者は、コンクリートのようなわけのわからない世界に足を踏み入れたくないし、コンクリートの研究者は、諸々の電気化学反応が介在する腐食の世界に足を踏み入れたくないからである。

 【次回から、少しずつ鉄筋腐食の《おはなし》を始められるようにしますので、時々は見に来てください。】


前のページへ目次のページへ次のページへ


トップページへ

コンプロネット(コンクリート・プロダクツ・ネットワーク)/ 企画・運営:セルテック株式会社/ 技術サポート:有限会社ウインタースキン/
©1999-2017 Concrete Products Network All rights reserved.
E-Mail:
powered by WinterSkin