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■私のコンクリート補修物語
第2部 アルカリ骨材反応 堀 孝廣

2.10 最近の報文、及び海外のレポートから

 最近の国内でのリチウムによるアルカリ骨材反応抑制に関する報文、及び海外でのレポートの中で、面白いと思ったものを幾つか紹介しよう。

(1) アルカリ骨材反応抑止工法の開発

内田他、鴻池組技術研究発表会、01'/06/06・21

 この報告は、亜硝酸リチウムによる低圧注入工法をさらに大掛かりに発展・実用化したもので、5kgf/cm2の圧力で1〜2ヶ月注入を継続すると、亜硝酸リチウムが300〜600mm浸透することが述べられている。この技術は、京都大学大学院 宮川豊章教授の指導を受けて、鴻池組、大日本塗料、大阪防水、三興塗料の各社の協力によって開発された。

 この工法は、コンクリートの周囲を塗料により亜硝酸リチウム水溶液が漏出しないようにシールし、次いでコンクリートの中央部まで穿孔しダブルパッカーを備えた注入管を挿入し、コンクリートの中心部から亜硝酸リチウムを注入・浸透させている。地盤改良における薬液の浸透注入工法を、コンクリートに応用拡大したものと思われる。5kgf/cm2の圧力で1〜2ヶ月注入し、一注入孔から32.3kgの亜硝酸リチウム水溶液を注入し、噴出口から50cmの距離までアルカリ骨材反応を抑制するに充分なモル比〔Li/(Na+K)〕1.0以上を確保できたと報告している。 注入に長時間を要するが、この間人手がかかるわけではなく、作業性その他に実用上特に問題ないとしている。

(2) Unique response of LiNO3 as an alkali silica reaction-preventive admixture

Sidney Diamond, Cement and Concrete Research, 29, (1999) ,1271-1275

 コンクリート中の細孔溶液に関する研究で著名なS.ダイアモンド教授の報文である。

 このレポートは、リチウム化合物をアルカリ骨材反応抑制用コンクリート混和剤として用いた時の挙動について報告している。水酸化リチウムは、細孔溶液中のOH−濃度を増大させるため、使用量が少ないとアルカリ骨材反応を促進してしまう。また、炭酸リチウム、フッ化リチウムなど水への溶解性に少ない化合物も、水酸化カルシウムと下記の反応により水酸化リチウムと同様の挙動を示すとしている。

 しかし、硝酸リチウムはカルシウムと不溶性の化合物を作らないので、炭酸リチウム、フッ化リチウムのような反応は進まず、細孔溶液中のOH濃度は増大せず、アルカリ骨材反応抑制剤として添加量が不足した場合でも、膨張を促進する恐れはないとしている。


(3) Use of an applied electric field to drive lithium ions into alkali-silica reactive structures

David Whitmore & Sean Abbott, 11th ICAAR,Quebec,2000

 この報告は、アルカリ骨材反応による被害を受けているコンクリートを補修するためにリチウムイオンを、電気化学的手法によりコンクリート内部に浸透させる方法を提案している。日本では電気化学工業がデサリネーションとして、電気防食と類似の方法でコンクリート内の塩化物イオンを除去する工法を展開しているが、それと同じプロセスによってリチウムイオンをコンクリート内に浸透させることを試みている。リチウムイオンの浸透を早めるために、コンクリートに穿孔し、そこにリチウム溶液を泉のように溜めてアノード電極を挿入し、鉄筋との間で電流を流す方法を提案している。リチウム溶液として、ホウ酸リチウム、硝酸リチウム、ホウ酸リチウムと水酸化リチウムの混合溶液が使われている。通常の浸漬による操作より、4から10倍のリチウムイオンがコンクリート内に浸透すると報告している。

(4)その他

・数年前よりアメリカのペンシルバニア州、バージニア州などでは、AARにより被害を受けている道路床版に、水酸化リチウムまたは硝酸リチウム(FMC社によってLifetimeの商品名で販売されている。)が散水車によって塗布され、追跡調査が行われている。

・外部からの塩分(海水、凍結防止剤)の影響を受ける場合の、モルタルバー法としてカナダ法〔(ASTM C 1260)温度80℃、1NのNaOH溶液に浸漬し膨張率を測定〕。デンマーク法〔50℃の飽和NaCl溶液に浸漬し膨張率を測定〕が提案されている。


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