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■私のコンクリート補修物語
第2部 アルカリ骨材反応 堀 孝廣

2.8 リチウムのアルカリ骨材反応抑制メカニズムと抑制効果

 なぜリチウムがアルカリ骨材反応を抑制するのか。W.J.McCoyらの研究は、モルタルバー法による各種化学物質の抑制作用の研究がメインであり、踏み込んでメカニズムまでは研究していなかった。現在においても、完全に解明されているわけではない。

 そこで、ここでも私はこう考えるという抑制メカニズムを記そう。2.3のアルカリ骨材反応メカニズムの項で模式図を示したが、リチウムの存在下ではステージ3からステージ4の膨張に至る過程が阻止されると考えている。

 リチウムとシリカの化合物は、ある特定の比率条件下でのみ水に対する溶解性を示す。アルカリ付与剤である珪酸リチウム、水溶液でありながら乾燥後に耐水性を有する理由でもあり、また製造に苦労する所以でもある。 シリカ粉末を直接水酸化リチウムで溶解させようとしても反応が進まない。これは、Li2O・SiO2または Li2O・2SiO2を生成し、これらは全くといって良いほど水に対する溶解性を示さないため、反応がそこでストップしてしまう。

 アルカリ骨材反応の場合にも、図に示すようにNaまたはKと反応して生じたある種の水ガラス〔Na2O(K2O)・nSiO2〕がLi+が介在することによって、水に対する溶解性・吸湿性を持たないリチウムモノシリケート(Li2O・SiO2)或いはリチウムジシリケート(Li2O・2SiO2)に置換わり、反応が収束するものと考えている。

 アルカリ濃度を高めたセメントペースト中に反応性骨材としてパイレックスガラスを埋め込み、反応を進行させた後、界面の状態をX線マイクロアナライザーで撮影した図を示す。Liが入っている方(図の右側)はパイレックスガラスとセメントマトリクスの界面がクリアであるのに対し、Liがない方(図の左側)では境界面が明瞭ではなく、パイレックスガラスからシリカがセメントマトリクス中に溶け出していることがわかる。

 モルタルバーまたはコンクリートバー法によって、各種反応性骨材に対してリチウムの添加量を変えて、抑制効果を実験した。以下にそのデータを示す。図には示していないが、岩種はさまざまである。モルタルバーではアルカリ量(Na++K+)に対してモル比(イオンの数の多さの比率)0.8以上、コンクリートバーでは0.5以上であれば抑制効果が高い。モルタルとコンクリートで効果の表れる添加量に差があるのは、骨材の表面積の差ではないかと推定している。いずれにしてもアルカリ量に対してある量以上のモル比でリチウムイオンが存在すれば、アルカリ骨材反応による膨張は抑えられることを示している。


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