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■私のコンクリート補修物語
第2部 アルカリ骨材反応 堀 孝廣

2.2 アルカリ骨材反応の発見

 アルカリ骨材反応が最初に報告されたのは、1940年カリフォルニアのKing City橋の橋脚の異常ひびわれを調査したStanton,T.E.によってである。 発見されてから、まだ60年しか経っていない。 従って中性化と違い、アルカリ骨材反応については未だ不明な点が多く残されている。Stantonの発表以降、カナダ、イギリス、ヨーロッパ、南アフリカなどで、ぞくぞくアルカリ骨材反応による被害が報告された。

 日本では、1951年に最上川産の頁岩を骨材として用いた、山形県の橋でその被害が見つかった。そこで全国104種の骨材について化学法により反応性が調査されたが、問題となった最上川産の骨材を含めて、2種類の岩石だけが反応性有りと判定されたに過ぎなかった。 この結果を受けて、その骨材さへ使用しなければ安全であるとの神話が形成され、日本ではアルカリ骨材反応はないと誰もが思い込んでしまった。 確かに当時としては正しかったのであろうが、そこには川砂・川砂利という前提がついていたのである。 しかし、その後時代は高度成長期へと進み、西日本を中心として川砂・川砂利が枯渇し、海砂の使用から更に砕砂・砕石へとに骨材が変り、爆弾を抱えたコンクリート構造物が次々と建設されていった。

 私が中性化の資料を集めていた1970年代後半にはアメリカの文献には、アルカリ骨材反応について記述したASTMなどの紹介があったが、当時の私には何のことやらわからず、アメリカのコンクリート劣化を紹介した『セメント・コンクリート』などの雑誌もアルカリ骨材反応に関する部分については、《日本にはアルカリ骨材反応による被害はないので省略します》とタイトルだけが並び、中身については紹介されなかった。 80年代に入ると、日本でもアルカリ骨材反応による被害が起きているという噂を聞くようになった。しかし、アルカリ骨材反応を受けている構造物に対して、《被害を食止める手段がない。診断はできても治療できなければ、パニックを起こすだけだ≫ということで、公表するのは憚られる雰囲気があった。 とりわけ、マンションなどではアルカリ骨材反応だとわかると資産価値が下がることが懸念された。 1980年頃、調査にいった神戸のある公共機関の建物で、一階の玄関の柱に鉛直(軸)方向に大きなひび割れを見つけた。 通常、中性化が進み鉄筋が腐食してきたのであれば、フープ筋が初めに腐食してくるはずである。しかしフープ筋方向にはひび割れが認められず、乾燥収縮のひび割れとも違う軸方向に沿った大きなひび割れに困惑したことがある。中性化で劣化してきた場合には、主筋に沿ってひび割れが認められれば、既にその構造物は寿命であると判断せざるを得なかった。しかし、中性化は20mmそこそこであり、屋上のパラペットやペントハウスを除いて、それほど劣化が進んでいるようには見えなかった。仕方なく、ひび割れ注入と弾性仕上げ材という組み合わせの補修仕様を組んだ思い出がある。

 1982年になって、阪神高速道路公団が岡田京都大学教授を委員長とする委員会で、アルカリ骨材反応による被害があるという勇気ある公表をした。これを契機としてアルカリ骨材反応の調査・研究が進み、日本の少なくない個所で、アルカリ骨材反応の被害が生じていることが明らかとなった。 しかし21世紀を迎えた今でも、補修方法は手探りであり、できれば被害は隠しておきたいという風潮はそのままである。


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