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■コンクリート用混和材料の常識
第01回:コンクリート用混和材料の種類と定義・歴史 藤田 康彦

混和材料の定義
混和材料についてのわが国での公的な定義は,JIS A0203(コンクリート用語)に「セメント、水、骨材以外の材料で、コンクリートなどに特別の性質を与えるために、打込みを行う前までに必要に応じて加える材料。」と定められています。しかし、JISに制定されている混和材料の関連規格は実はたいへん少ないのです。

  1. JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)

  2. JIS A 6202(コンクリート用膨張材)

  3. JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)

  4. JIS A 6205(鉄筋コンクリート用防せい剤)

  5. JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)

これには、「特別の性質を与えるために加える材料」の物質を特定したり材料自体の性質について規定すると、コンクリートに使用できるものが限定されてしまい、かえって不都合を生じる事になるという側面があります。実際、JIS A 6101(コンクリート用防水剤)のように1956年に制定されたものの、品質規格が実態にそぐわないため1960年に廃止された例があります。

しかし、このことは裏を返して言えば、コンクリートの性質改善剤の可能性は無限にあるということで、我々の研究開発意欲を大いに引き立てると共に、コンクリートの未来に大きな夢を抱かせることにも繋がります。

いずれにしても、大半の混和材料については、まだ規格化はなされておらず、その機能や使用目的などによって分類されているのが実情です。従って、本シリーズにおいても従来の一般的な分類によって解説を加えて行くつもりです。

混和材料の種類と区分
混和材料は主として添加量の多少によって混和剤と混和材に区分されています。この区分には必ずしも明確な境界があるわけではありませんが、JIS A0203(コンクリート用語)では、「混和材料の中で、使用量が比較的多く、それ自体の容積がコンクリートなどの練上がり容積に算入されるもの。」を混和材とし、「混和材料の中で、使用量が少なく、それ自体の容積がコンクリートなどの練上り容積に算入されないもの。」を混和剤と定義しています。また、「主として、その界面活性作用によって、コンクリートの諸性質を改善するために用いる混和剤。」を化学混和剤と位置付けています。
一般的には混和剤には有機質のものが多く、混和材には無機質のものが多いようです。

混和材料発展の歴史
古代から天然ポゾランを広義のセメントとして使用していたとか、家畜の排泄物や血液、脂などを石灰モルタルに混和していたという話を持ち出すつもりはありませんが、混和材料の歴史を辿ってみると、1862年に水砕スラグの潜在水硬性がドイツで発見されて間もなく、1865年にはこの水砕スラグを混合したスラグセメントが商品化されています。日本でも1910年には八幡製鉄所で高炉セメントの製造が始まっていますし、1953年に須田貝ダムでフライアッシュを使用したという記録が残っています。一方有機質の混和剤は、1930年代に米国で発見されたAE剤(Air entrainingagent)に歴史が始まるとされており、日本では1950年頃から使われ始めました。

この様に、スラグやフライアッシュといった無機質の混和材料が工業的に使われ始めたのは結構昔のことですが、どちらかと言えば混和材はセメントの増量材や改質材としての使用が主目的だった様で、AE減水剤に代表される混和剤の方は、より積極的にコンクリートの性質を改善する目的で使用され、種々のタイプのものが開発されて今日に至っています。

現在では混和剤の中でも主流となっている化学混和剤の変遷について言えば、まず一番最初にコンクリート用混和剤として使われ始めたのがヴィンソルレジンやリグニンスルフォン酸塩に代表される、天然樹脂系の界面活性剤系混和剤です。この第一世代とも言うべき界面活性成分は今日でも多く使われていますが、1940-50年代にかけてこれらの活性成分の持つセメント分散機構やコンクリートの改質効果が明らかにされると共に各種界面活性剤のコンクリートへの応用研究が盛んになりました。これらと同様の効果をもつ多価アルコールのスルフォン酸塩やオキシカルボン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩といった合成界面活性剤が工業的に合成されたり他の工業分野から導入されて、いわゆる第二世代の化学混和剤が次々と誕生し、生コン量の増加につれて急速に普及しました。

1960年代に入ると、メラミン樹脂系やナフタリンスルフォン酸塩系の界面活性剤が出現し、これらの化学混和剤は従来では考えられなかった高減水性を発揮したため、高性能減水剤と称され第三世代を構成しました。そして、これら高性能減水剤のスランプ保持性を更に高めた、まさに第四世代とも言うべきポリカルボン酸系高性能減水剤が出現し現在に至っています。今では、日常的に高流動コンクリートの施工が行われていますし、シリカフュームなどと組み合わせることによって鋼材と変わらないくらい高強度のコンクリートを作ることも可能になっています。正にこれら界面活性剤系統の化学混和剤の出現により、コンクリート技術は飛躍的な進歩を遂げたと言っても過言ではありません。

もちろん、セメントとの反応や水和物形成の面でコンクリートの品質を改善する混和材の分野でも、膨張材、エトリンガイト生成による高強度混和材などの開発から、最近では、マイクロシリカフューム、微粉末スラグなどの利用技術が進み、従来にはない超高強度やコンクリートの高性能化が実現されつつあります。

近年の混和材料の発展には日を見張るべきものがあり、従来のコンクリートでは考えられなかったような特殊性能や高度な性能をもつコンクリートが実用化されつつあります。コンクリートの種々の要求性能を改善する混和剤が次々と開発され、防錆剤、超遅延剤、増結剤、収縮低減剤、水和熱低減剤、耐寒防凍剤、浸食性物質吸着剤、等々、その種類は枚挙に暇がありません。これらの混和材料は従来の施工方法を革新させたり、これまで不可能であったコンクリート構造物を実現させたりもしているのです。今やわが国はコンクリート混和剤の開発利用の面で世界のリーダー的存在になっていると言っても過言ではありません。これらは、コンクリートに対する要求性能の多様化と高度化という社会のニーズや、土木建築技術者の要求に応える材料メーカー・研究者の不断の努力によって成しとげられたものですが、先にも述べたとおり、今後も新しいニーズの発掘とそれに呼応する技術開発により、混和材料とコンクリート技術はますます進歩発展して行くものと期待されています。

それでは、次回はコンクリート用化学混和剤の作用機構についての具体的な解説を予定しています。どうぞお楽しみに。


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