エクセン株式会社
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■浮遊児のコラム「月と太陽の旅」
第4回 『タコクラゲ』

 省エネ対策として、今年の夏東京電力は『電気予報』という電力指数を発表している。8月には、昼間のエアコンの消費電力がピークに達して、電力不足になるらしい。とはいえ梅雨が明けないこの季節、なんとも夏らしくない。おかげで我が家のエアコンは休眠状態。
 そういえば去年の夏もほとんど使用しなかったので(もちろん省エネのため)暑くなってもそれほど苦にはならないと思う。習慣とは恐ろしいもので、なくてはならないと思い込むとどうしても欲しくなるが、省エネという目標のために、社会貢献と考えれば楽しめるものである。自分さえ良ければいいという、むしろ無関心になることのほうが怖くなってくる。
 子供の頃は縁側で蝉の声を聞きながら、すいかをほおばり夏の匂いを感じていたものだ。
 風鈴を使ったり、水浴びすることで、音や視覚の効果を利用して涼を楽しむことが当たり前だった。
 都会では、日本家屋のような風通しの良さは望めないので、仕方がないがエネルギーの限界を考慮すれば、せめてエアコンの設定温度には気を配りたいものだ。
 子供の頃は、エアコンなんてなくても暮らせたのが不思議な気がしてくる。

 さて、今回はタコクラゲという生き物についての話し。
 タコなのかクラゲなのかはっきりしないなんとも愛嬌のあるネーミングだ。(実際はクラゲの仲間であるが)
 普通のクラゲより足が長くタコのようにも見えることから名前がつけられたらしい。
 フィリピン沖の南の楽園に生息しているが、彼等の進化がとてもおもしろい。
 もともと海で生活していて、主にプランクトンを食べて生きていた。
 天敵はマンボウやエイであるが、そのかれらが海ばかりでなく湖にも生息しているという。
 湖では、地層がほとんど石灰でできているので、海から地層の中を浸透して湖に移り住んだという説があるが、確証はないらしい。
 日中かれらは、太陽が昇ると水面近くに集団であらわれて、日が暮れると水中に潜ってしまう。
 この不思議を紐解くと、こういうことである。
 水中では海のようにプランクトンが少ないので、珪藻を体内に取り入れて(共存させて)昼間は光合成し体内から出る二酸化炭素と珪藻が酸素を放出することで光合成する。
 夜は水中の石灰からでるカルシュウムをエネルギーにして生きているのである。
 珪藻がいなければ、タコクラゲは死滅してしまうのである。もちろん珪藻もタコクラゲがいなければ、光合成することができないので、単独では生きてはゆけない。
 しかも長い歴史の過程で、氷河期を乗り越えて生き続けてきた。その秘密としてタコクラゲは6度気温が上昇すると死滅してしまうが、核となる物体から分離独立してゆく(タコクラゲの体中にさらに別の物体が生きていて、住み替えができる)ことができるので、気候の変化で条件がそろわなくなると仮死状態になることができる。つまりは、環境に適合できなくなるとお休みして次へチャンスを待つ状態である。
 どんな環境でも、生きて行く為の方法を模索しているようだ。
 我々人間からみると、ある面ではエイリアンのような生命力のある存在である。

 『人と環境』、『人と地球』といった観点での議論が巻き起こっている現代社会ではタコクラゲのように、共生を考えることができれば、新しい原理や理論において選択の幅が増えてくるのではないかと思う。
 グローバルに考えると地球上では、共有された資源をみんなで利用しているのだから、世界という同じ器の中でやりくりをしているだけなのだ。
 リサイクルや、リデュ−スなどは、まさに地球との共存を考えた差し迫った苦肉の策なのかもしれない。

浮遊児


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